田中良平(1933年生)は、すべてにおいて「完璧であれ」をモットーに制作活動を続け、生涯を日本の農村風景を描くことに捧げる。繊細なエッチング技術で、農家や寺院のある日本を描き、藁葺きや木など、自然の要素の質感も見事に表現する。
2019年はレンブラント没後350周年。そのためオランダ各地では、レンブラントに因んだ展覧会や催しが開催されているが、 シーボルトハウスはこのレンブラント没後350周年の一環として、『静寂の美』展を開催する。 1640年頃、レンブラントはアムステルダム郊外の風景を描きはじめた。350年の後、田中良平も同じように京都郊外の風景を描く。それぞれ画風は異なるが、エッチングという同じ技術をもって、田舎風景の閑静やその質感を表現する。これを田中良平の作品を、レンブラントの生まれ故郷ライデンではじめて紹介する理由とする。